Apple社の名前の由来
Apple社の名前の由来はこれまで公表されていなかったため、ユーザーの間で以下のような憶測が飛び交っていました。
- 電話帳の最初のほうに掲載したかったから。(とくに、以前ジョブズが働いていたアタリ社よりも先にしたかった)
- 当時ジョブズがフルーツ・ダイエットをしていて、社名がなかなか決まらないときにもリンゴを食べていたから。
- ジョブズがビートルズのファンで、ビートルズが設立した会社名が「Apple Corps Ltd.(アップル・コア)」であったから。
そして2011年に発売されたジョブズの伝記の中に、社名の由来の答えが記されました。
On the naming of Apple, he said he was “on one of my fruitarian diets.” He said he had just come back from an apple farm, and thought the name sounded “fun, spirited and not intimidating.”
(Appleという社名を付けたことについて、ジョブズ氏は「果実食主義者の主要な食べ物のひとつだから」と語っています。続けてジョブズ氏がリンゴ農場から戻ったばかりのときに「Appleという名前は活発で面白そうだし、高圧的ではない印象であると考えた」とも述べています。)
『スティーブ・ジョブズ』より
自身が果実食主義者であっただけでなく、コンピューターの冷たく高圧的なイメージを払拭したかったことが分かりますね。
Appleのロゴの変遷
創業当時
創業当時のAppleのロゴは、現在のシンプルなロゴからは想像もつかないような複雑なデザインでした。
ニュートンがリンゴの木の下に座っているこのロゴは、Apple第3の創業者と言われているロナルド・ウェイン氏によってデザインされたものです。
しかしデザインが複雑だったこともあり、このロゴは1年も経たずに変更されてしまいました。
1976年
その後1976年〜1998年の間に使われたのが、このレインボーなロゴです。
6つの鮮やかなカラーはAppleIIの基本表示色を表しています。また「冷酷でネガティブなイメージのあるコンピューターを暖かく親しみやすいイメージにすることで、家族が使える存在にしたかった」という製作者(ロブ・ジャノフ氏)の願いもこの配色に込められています。
このロゴで生まれたりんごのかじり跡は、「他の丸い果物と誤解されないためにデザインした」とジャノフ氏は述べています。
コンピューターの記録単位である「byte(バイト)」と、Appleのスローガンであった「Byte into an Apple」、これらにかじるという意味の「bite(バイト)」をかけて誕生した説もありますが、この説に関してジャノフ氏は「幸運な偶然」とコメントしているので、ユーザーによる憶測の可能性が高いです。
1998年
スティーブ・ジョブズ氏がAppleに復帰した翌年の1998年、レインボーのロゴから単色のロゴに変更されました。
この単色ロゴは、Apple製品に応じて異なる色が使われていました。単色ロゴは現在のApple製品でも採用されているため、だいぶ馴染みのあるものになりましたね。
2001年
その後、2001年にAppleのロゴは立体感のあるものに切り替えられました。この年はAppleがiPodを発売した年でもあります。
りんごをかじった型に変わりはありませんが、陰影や光沢感が付け加えられているためスタイリッシュな印象になっています。
2008年
iPhoneが発売された2008年に、再度Appleのロゴが変貌を遂げました。
このロゴはiPhoneに合わせてデザインされたと言われています。
2013年
そして2013年から2020年現在まで使用されているのが上記のロゴです。いままでのカラフルな配色や立体感のあるデザインは一掃され、グレー1色のシンプルなフラットデザインとなりました。
この年のロゴ変更は、iOS7が発売に起因したと言われています。iOS7ではフラットデザインが採用され、アイコンやボタンが立体的なデザインから平面的なデザインになったのです。それに合わせてAppleのロゴもフラットデザインが採用されたのでしょう。
iOS7によってフラットデザインがユーザーに浸透し、その後多くのWebデザインでも取り入れられるようになりました。
革新的な製品と共に変わっていくAppleのロゴ
ロゴの基本形状は、2代目のロゴから変わっていません。しかしロゴの変遷をApple製品の歴史と共にみていくと、革新的な製品を発表するごとにそのデザインが変わっていることが分かります。
製品とリンクしたロゴはユーザーにとって違和感がありません。このこともAppleのロゴが世界中で浸透し、愛されている理由なのでしょう。
Appleのロゴは黄金比で構成されている?!
Appleのロゴは「黄金比」で構成されていると、ブラジルのデザイナーであるチアゴバルセロス氏が発表しました。
黄金比の数学的な比率は「1:1.618(約5:8)」です。エジプトのピラミッドやモナリザ、パスポート、名刺などこれらは全て黄金比で構成されています。
ロブ・ジャノフ氏がAppleのロゴをデザインした当時は、手書きで制作しています。そのため、意図して黄金比を使った可能性は低いです。繰り返しりんごをデザインし続け、偶然にも黄金比で構成されたことが、今でもりんごのロゴが多くの人々に愛されている理由でしょう。
Twitterやペプシのロゴにも黄金比は取り入れられているため、自社のロゴを黄金比で構成してみるのもいいですね。